グランプラス
ベルギーのブリュッセルの旧市街の中心にある世界遺産「グラン・プラス」は、ヨーロッパで最も魅力的な広場です。多くのブリュッセルの職人ギルドによって、資金提供された美しい建物に囲まれています。
「レ・ミゼラブル」の著者、ヴィクトル・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」と称賛した場所です。
建物はすべて、彫像、レリーフ、金箔で丁寧に装飾されています。一つ一つのレリーフやシンボルを見ると面白いのですが、あまりにも繊細で何時間もかかってしまうことでしょう。
グランプラスには、39の建物があります。市庁舎以外のすべての建物はフランスの爆撃の後、ゼロから再建され、17世紀後半に建てられた美しい建物が取り囲んでいる広場です。
経済的に非常に豊かであったため、広場の再建はわずか5年で完了したそうです。
グランプラスは2年に1度、お花のカーペットが敷き詰められます。私が訪れた8月にも花の絨毯祭り「フラワー・カーペット」は開催されたのですが、今回は、数日のずれがあり見られず残念でした。
77m×24m、1800平方メートルの広大な地面に50万~60万本もの花々を、ボランティア100名以上の協力で敷き詰められます。
花の種類、デザインは年々変わり、豪華なデザインや模様が施された花々のカーペットは数日後には撤去されてしまいます。
広場の周囲には同業者組合、ギルド・ハウスが並んでいます。
例えばこの上の写真の右から
①The King of Spain パン屋のギルド(旧スペインの司令部)
②The Wheelbarrow 油商人のギルド
③The Bag 大工のギルド(旧聖堂)
④The She-Wolf 射手のギルド
⑤The Cornet 船員ののギルド
⑥The Fox 小間物商のギルド(帽子、手袋、傘など)
一番左の大きな建物はブリュッセル市庁舎
現在はギルドが廃止され、カフェ、銀行、レストランなどになっています。
各建物には屋号・軒名が付けられていました。
この上の写真の右から
一番右の時計のある大きな建物は市庁舎
⑧The Star 星 1階がアーチ状の空間になっています
⑨The Swan 白鳥 肉屋のギルド
⑩The Golden Tree 黄金の木 醸造業者のギルド
⑪The Rose 薔薇 私邸
⑫The Mount Thabor タボール山 私邸
「白鳥」酒場・肉屋ギルドで、現在はレストランになっています。とても可愛らしいですよね。
一番目立っていたファサードに金の彫像のある「黄金の木の家」。
こちらの地下にはビール博物館があります。
17世紀に醸造業者のギルドとして使われていたそうです。
最も重要な建物は、ブラバント公爵の館で、ブラバントはローランドに位置する歴史的な公国でした。ブラバント公爵の称号はベルギー王位の継承者に与えられます。
この建物には、13~19の7つの住所があります。
⑬The Fame(名声) 私邸
⑭The Hermitage(隠者) カーペットメーカーのギルド
⑮The Fortune(運命) なめし革職人のギルド
⑯The Windmill(風車) 製粉業者のギルド
⑰The Tin Pot(錫の鍋) 馬車職人のギルド
⑱The Hill(丘) 彫刻家、石工、石切りのギルド
⑲The Purse(財布) 私邸
ブリュッセル市庁舎のタワーの上には、高さ2.7メートルの聖人ミカエルが悪魔を打ち倒す像が設置されています。
市庁舎には観光案内所もあるため、市庁舎のガイドツアーに申し込むことも出来ます。
サイドから見た市庁舎も壮観です。
市庁舎の向かいにある「王の家」は、12世紀には木造の建物でパンを販売していました。そのため、ブロードハウスとも呼ばれています。
15世紀には石造りになり、その後何度か再建されています。現在のゴシック様式建物に建て替えられたのは19世紀です。
現在は市立博物館になっており、市庁舎タワーのトップにある「悪魔を退治する聖ミカエルの像」(悪魔の象徴である竜とも言われる)のオリジナルが見られます。
また、3階には小便小僧の衣装コレクションがあるそうで、とても面白そうですね。
残念ながら、市庁舎と博物館の内部を、時間が無くて見ることができなかったことが心残りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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