女性が書いたブログ記事ですね。フランスのパリにはルーヴル、オルセー、オランジュリーの3つの美術館があり、観光には欠かせません。どの美術館も徒歩で10~20分ほどの距離にあるので、一度に見学することもできますよ。
中でも「オルセー」は、パリの中央ターミナル駅舎だった当時の面影を残していて、建築物としても面白く魅力的な美術館です。
オルセー美術館はフランスの国立美術館で、世界遺産のひとつ「パリのセーヌ河岸」に登録されています。パリ・セーヌ川左岸に位置し、パリで一番シックな地区と言われている7区にあります。
シックとは「しゃれて気がきいている、あか抜けているさま」という意味で、お洒落なパリの中でも7区は上品で都会的なエリアなんです。
シックとは「しゃれて気がきいている、あか抜けているさま」という意味で、お洒落なパリの中でも7区は上品で都会的なエリアなんです。
美術館の館内は美しいアーチ型のガラス張り天井から自然光が差し込み、そのやわらかな光で作品を楽しむことが出来ます。
広々とした展示室には、かつてのターミナル駅だった建物の面影が随所に残されており、ホームに電車が到着するような、ファンタジックな空間に浸ることができます。
広々とした展示室には、かつてのターミナル駅だった建物の面影が随所に残されており、ホームに電車が到着するような、ファンタジックな空間に浸ることができます。
ターミナル駅舎だった館内の西側(エントランス側)には当時から掛けられている金の大時計も残されており、その大きさと美しさには目を奪われます。
一時禁止していた館内撮影が解禁に!
オルセー美術館は2010年6月から館内撮影禁止となりましたが、2015年3月中旬に再び解禁されました!
美しい館内や絵画を思う存分写真に収めることが出来るのは嬉しいですよね。
美しい館内や絵画を思う存分写真に収めることが出来るのは嬉しいですよね。
左上から右に:
・Vincent Van Gogh - Portrait de l'artiste(1889年)
・Vincent Van Gogh - Portrait de l'artiste(1889年)
美しいブルーで描かれたのゴッホの「自画像」
・Vincent Van Gogh - Chaumes de Cordeville à Auvers-sur-Oise(1890年)
ゴッホ「茅葺屋根のあるコテージ」
・Pierre Auguste Renoir - Bal du moulin de la galette(1876年)
当時流行していたギャンゲット(野外酒場)、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」
左下から右に:
・Georges Seurat - Baignade, Asnières (1890-1891年)
・Georges Seurat - Baignade, Asnières (1890-1891年)
新印象派の点描画法で描かれたスーラの「サーカス」
・Des glaneuses - Jean-François Millet (1857年)
貧しい農民が刈り終えた後に落ち残った麦穂を拾う姿を描いた、ミレーの「落穂拾い」
François Pompon - Ours blanc (1928-1929)
フランソワ・ポンポンの代表作の「白熊」という彫刻は、実は私がオルセーに行くまで知らなかった作品です。一見の価値ありです。
この彫刻は、実際の白熊ほどの大きさで、シンプルでモダンなデザインで作られています。この彫刻はオルセー美術館の人気者であり、すぐ近くにカフェがあるため、眺めながら一休みするのも良いですね。
ポンポンに許可されたシリアル番号入りの複製品の「白熊」が、ミュージアムショップで販売されていたようで、もしまだあるのであれば、私も手に入れたい一品です。
オルセー美術館はとても広く、全ての展示を軽く見るだけでも1時間半以上の時間が必要です。私が初めて訪れた時は時間が足りず、主要な絵画を45分ほどで見て回りましたが、息が切れるほどハードだったと記憶しています。
18歳以上の大人の入場料 €12(17歳以下は無料です)
①夕方から入場する
木曜以外の16:30以降 €9
木曜、夜間のみ18:00以降 €9
②コンビチケットを購入する
③無料解放日を利用する
毎月第1日曜 無料
(無料開放日)
その他にもたくさんの施設が無料なので、もし旅行日と第1日曜と重なるラッキーな方は、この日たくさんまわりたいところですが、有名な所は、かなり並ぶ可能性がありますので厳選して、なるべく混みそうな所は開館直後に訪れるようにすると良いです。
2日間 48€
4日間 62€
オルセー美術館のチケットの半券を8日以内にオペラ・ガルニエ宮(オペラ座)で提示すると割引料金で入場可能です。忘れずに持参しましょう。(€11が€8になります)
Musée d'Orsay オルセー美術館 公式ホームページ
Musée d'Orsay オルセー美術館 公式ホームページ
オルセーの歴史
オルセー美術館の建物は1900年、パリの歴史では5回目の万博博覧会の開催に合わせて建設されました。設計者はヴィクトール・ラルー、鉄道の中央ターミナル終着駅とホテル(客室370)を併設したオルセー駅でした。
当時パリ市は蒸気機関車の排煙や景観上の問題で街の中心部への乗り入れは地下鉄に制限し、駅は屋根で覆うことを取り決めていました。
当時蒸気機関車では不可能だった、駅舎の豪華な装飾や自由な内装、チケット販売所や待合室を一つの屋根の下に収め、エレベーターや荷物用のリフトを備えた機能的で美しい駅となりました。
まるで宮殿のようなターミナル駅ということで当時の市民たちも喜ばしかったことでしょう。
1938年にパリ・オルレアン鉄道の国有化に伴い、RER(イル=ド=フランス)フランス国鉄の駅となりましたが、1939年にはホームの長さが短く、新しい車両には適応しないことを理由にターミナル駅としての役目をオステルリッツ駅に移され、オルセー駅は地下ホームのみの近距離列車専用の駅となりました。
その後、様々な目的に転用・放置され、取り壊しの危機もありましたが、1970年代に古い建物保存の関心が高まり、1973年に歴史的建造物の候補リストに入り、1978年には駅舎が正式に歴史的建造物に指定されました。
歴史的建造物の候補リストに入った1973年に細々と営業していたホテルは閉鎖されましたが、そのホテル「hotel de Orsay」のダイニングルームは、今でもオルセー美術館のレストランとして利用することが出来ます。
(レストランで食事した記事はこちらです)
1973年にジョルジュ・ポンピドゥー大統領が美術館として改装することを発案、ヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領の時に本格的に動き始めました。
2回目の改築工事は、1980年 イタリアの女性建築家ガエ・アウレンティの改修。その後晴れて1986年12月1日オープン、美術館として生まれ変わりました。
2009~2011年には館長として就任したギ·コジュヴァルの命により印象派ギャラリーを改修。展示壁面全体に色が塗られ、新しい照明が設置されました。
それぞれ繊細な絵画の色を引き立たせてるカラーが的確に選ばれているところが興味深いです。
2013年には地上階、両サイドの部屋内の改装で同じくカラー壁面になりました。
2011、2013年の改修のカラー壁面は絵の見え方の印象がガラリと変わりそうなのでぜひ見てみたいものです。
オルセーの歴史・建物の説明が長かったですね、すみません、好きなもので。